MisticBlue>小説コーナー>トランスポーター web版(DL版はこちら→txt、zip) 「トランスポーター#3」 1 2 3 4 5 6 6 キズだらけのまま、車両に戻ったカートだったが、キャプテンはすぐに事情を察知した。 次の出発まで休むといいと、休暇の提案をしていたが、包帯に包まれながらもカートは仕事しますと言い切っていた。いつも通りの制服と制帽に旧帝国式敬礼でだ。 その様子にメリーもローズも揃って溜息をついた。 すっかりおとなしくなったローズが地味なワンピース姿でこっそりつぶやいた。 「もう少し、ここにいてもいい?」 カートはふっと笑った。 「あいつらを次の便で届けなきゃならないから、そう長くはいられないけどな」 親指で示す方向に青い髪の少女が二人。仲良く売店でお菓子を買い食いしている。 「あなたって、本当にトランスポーター的な答えしか出来ないのね!」 ちょっと呆れ加減にローズはカートの腕を取る。 カートは飛び上がるように痛がった。 バカヤロウ、そこはこの前切りつけられたとこだ! 前へ |