MisticBlue小説コーナートランスポーター web版(DL版はこちら→txtzip)

「トランスポーター#3」


 
 
 
 
 
 





 キズだらけのまま、車両に戻ったカートだったが、キャプテンはすぐに事情を察知した。
 次の出発まで休むといいと、休暇の提案をしていたが、包帯に包まれながらもカートは仕事しますと言い切っていた。いつも通りの制服と制帽に旧帝国式敬礼でだ。
 その様子にメリーもローズも揃って溜息をついた。
 すっかりおとなしくなったローズが地味なワンピース姿でこっそりつぶやいた。
「もう少し、ここにいてもいい?」
 カートはふっと笑った。
「あいつらを次の便で届けなきゃならないから、そう長くはいられないけどな」
 親指で示す方向に青い髪の少女が二人。仲良く売店でお菓子を買い食いしている。
「あなたって、本当にトランスポーター的な答えしか出来ないのね!」
 ちょっと呆れ加減にローズはカートの腕を取る。
 カートは飛び上がるように痛がった。
 バカヤロウ、そこはこの前切りつけられたとこだ!




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